伝統組踊保存会

古典舞踊とは

◆古典舞踊とは

 琉球王府(リュキュウオウフ)は、冊封使(サッポシ)を歓待(カンタイ)する芸能公演のために踊奉行(オドリブギョウ)を設けた。踊奉行は、公演を開催するにあたり、その指導監督(シドウカントク)あるいは芸能の指導をする奉行のことである。奉行にあたる彼らは、数多くの舞踊や演劇を仕立てた。琉球王府の主催する冊封使歓待の宴は7回催され、七宴(シチエン)と称している。七宴での芸能を総称(ソウショウシ)して御冠船踊(カンセンオドリ)という。いうまでもなく、冠船に乗って渡来(トライ)した冊封使たちをもてなすための芸能の意味である。御冠船踊は、廃藩置県(ハイハンチケン)の後、明治の中期以降に創作された雑踊(ゾウオドリ)に対して古典舞踊(コテンオドリ)と称する。古典舞踊は、18世紀に大成(タイセイ)した。踊奉行に任命(ニンメイ)された玉城朝薫(1684〜1734)たちによって基礎(キソ)が固められ、その後の優れた芸術家たちによって肉付けされ、磨きあげられていったのである。古典舞踊は老人踊(ロウジンオドリ)、若衆踊(ワカシュウオドリ)、二才踊(ニサイオドリ)、女踊(オンナオドリ)に分類される。


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◆古典舞踊 解説

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 ・かぎやで風

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 御冠船踊の躍番組には「老人老女」とある。白髭の翁と白髪の媼が登場し、翁が口上を述べたあと、「かぎやで風節」に乗せて踊る。めでたい歌舞で、祝宴や芸能公演の幕開けに歌い踊る。先行芸能は村踊りで演じる「長者大主」である。


 

 


 ・かせかけ

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 枠、綛の小道具を持ち、紅型衣裳を右肩袖を抜いて踊る。愛しい人に蜻蛉の羽のような薄くて上質の布を織り、御衣を仕立ててあげようといそしむが、繰り返し返される作業であるために、かえって恋人の面影がたちまさってしまう。本来は干瀬節・七尺節・さあさあ節(または百名節)の三曲構成で踊る。


 

 


 ・四つ竹

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 紅型衣裳を着て花笠を被り、両手に四つ竹(長さ15cmほどの竹片2枚)を持って、「踊りこはでさ節」にのせてカチ、カチと打ち鳴らしながら踊る。お祝儀舞踊として親しまれている。踊り手が多いほど豪華にみえる踊りである。


 

 


 ・若衆くてぃ節

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 祝賀の歌舞。出羽は笛と太鼓のリズムに合わせて登場する。両手に扇子を持って踊る。歌詞は「古今和歌集」(巻一、春上)源むねゆきの「ときはなる松のみどりも春くれば今ひとひとしの色まさりけりを改作したものを歌う。